歯周病治療

歯の症状

• 歯がグラグラと動く気がする
• 歯が浮いたような気がする

当てはまる項目が多いほど、歯周病にかかっている可能性が高くなります。

参照：歯周病について | 日本臨床歯周病学会

肺炎

歯周病は歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。65歳以上の高齢者の死因第1位である肺炎のなかでも、口の中の細菌が肺に入ってしまい、炎症を起こす症状を誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎と呼びます。

これらの肺炎を起こした人の肺を検査すると、歯周病原因菌が高い頻度で見つかります。高齢者になると、食べ物を飲み込む機能が低下するため、食事の際に誤って食べ物が気管支に入る場合があります。
その際、口腔内の歯周病菌が肺に入り込み、肺炎を引き起こすと考えられます。

骨粗しょう症

歯周病は、骨密度の低下によって骨がもろくなり、骨折しやすくなる骨粗しょう症とも大きく関係しています。骨粗しょう症になると、歯を支える骨が減少し、歯周病の進行速度が早まります。
これにより歯周病が悪化すると、嚙む力が弱まり食事から取れる栄養のバランスが崩れ、ますます骨粗しょう症が悪化するという悪いサイクルに入りやすくなります。

早産

歯周病にかかっている妊婦さんは、そうでない人と比べて、早産の可能性が高まるという報告があります。
歯周病によって歯ぐきの炎症がひどくなると、「プロスタグランディンE2」という物質が増えます。この「プロスタグランディンE2」には陣痛促進作用があるので、歯周病の悪化が早産につながりやすくなるのです。

バージャー病

バージャー病という、手足の末端の血管が詰まり皮膚に痛みや潰瘍が発生する病気も、歯周病と関連があると言われています。その理由は以下の2つです。

• バージャー病にかかった人は全員中度～重度の歯周病と診断されている
• バージャー病患者の患部の血管から採取した血液を調べると歯周病菌が検出される

これらの事実がある一方で、本来歯周病菌が検出されるはずの箇所からは、歯周病菌がみつかりませんでした。
そのため、歯周病菌が皮膚の内部に入り込み全身に巡ることが、バージャー病の原因になると考えられています。

歯磨き指導（TBI）

歯周病治療は歯磨き指導から始まります。歯周病の一番の原因は歯石（プラーク）で、プラークが病原菌の巣となり炎症につながってしまいます。
そこで、日々の歯磨きによってプラークを取り除き、歯周病を改善するのが目的となります。
歯磨きのやり方は人によって異なり、クセがあると磨き残しが発生する場合があり、プラーク蓄積の原因になります。
歯磨き指導では歯の磨き方のクセをお伝えし、プラークを除去できる磨き方の指導を行います。分かりやすくご説明しますので、プラークが残らない歯の磨き方を身につけましょう。

スケーリング・SRP（歯石除去）

歯ぐきよりも上に付着した、プラーク（歯垢）と歯石の除去を行います。
超音波スケーラーやキュレットスケーラーといった専用の機器を使い、付着した歯石やプラークを取り除き、病原菌が繁殖する原因を除去していきます。
スケーリング・SRP（歯石除去）は、歯石の付着度合いにあわせて、1回〜６回程度にわけて行います。

歯周外科

歯周外科とは、歯周病が中度〜重度の方にのみ行う外科処置です。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、歯と歯ぐきの間に歯石が入り込み、病原菌の巣窟となってしまいます。
そこで、歯肉を開いて歯根が露出した状態にし、歯垢や歯石を除去していきます。
軽度歯周病の場合には、この処置は不要なため行うことはありません。

口腔ケア・メンテナンス

一通りの治療が完了したら、定期的な口腔ケア・メンテナンスを行い、歯や歯ぐきを良い状態に保ちます。
1〜3か月に一度のペースで定期来院していただき、歯科医師と歯科衛生士のチェックや歯の清掃を行い、病原菌が繁殖しない状態をキープします。
いったん歯周病が改善しても、歯石や歯垢がたまると再発する恐れがあるので、歯や歯ぐきの状態を常に管理するのが重要になります。